人生一度つまづいたけど、やっぱりギャグが好き【Yes!アキト(前編)】

軽い気持ちで事務所に所属

アキト:大学に入ってすぐに、派遣のアルバイトに登録しました。『夢カンパニー』って会社なんですけど。そこが、芸人として最初の事務所になります。

――人材派遣の会社なんですか?

アキト:はい。コンサートスタッフとかを派遣するようなところなんですけど、その年の夏に、芸能事業部を立ち上げるってことになって。会社から「これからお笑いもやるけど、入る?」って、バイトの僕に言ってきたんです。

――なるほど。

アキト:そのときは、将来就職するつもりだったんで、軽い気持ちで所属しました。夢カンパニーのタレント第1号です。森田健作です。

――サンミュージックでいうところの(笑)。

アキト:大学1年生でしたが、プロとしての活動が始まります。名前はまだ『Yes!アキト』ではなく『アキト』だけでした。

――夢カンパニーはどういうところだったんですか?

アキト:僕のほかに『どんきーず』『ペドロ軍団』っていうコンビがいまして……。

――仕事は?

アキト:路上ライブです。路上ライブが事務所ライブです(笑)。

――(笑)

アキト:他には、足湯のお客さんの前でネタやったりとか(笑)。当時、札幌はエントリー制のライブとかもなかったんで、出られるところが少なかったですね。

ギャグを研磨できる場所、東京

アキト:24歳の春に大学を卒業します。その後、夢カンパニーに籍を置きつつ、札幌で単独ライブをやったりしながら、半年間、お金を貯めました。

――それは上京資金?

アキト:そうです。それで、11月くらいに上京しました。

――東京にあてはあったんですか?

アキト:まったくないです。わけもわからず東京に来ました。

――それは大変ですね。

アキト:まず、何のつてもない人間でも出られるライブをネットで探しました。『お笑いライブ フリー』で検索したりして。エントリー費がかかるんですけど、めちゃくちゃそこにお金をかけて出てましたね。

――東京のお笑いライブは札幌と違いましたか?

アキト:全然違いました! 札幌と違って、東京は毎回お客さんが違うんですよ。札幌では同じメンバーで同じ友達を呼んだりしてたので。

――なるほど。

アキト:札幌時代、ギャグを研磨したいと思っていたんですね。でも、お客さんが同じなので、同じギャグができないんです。

――「アキト、いつも同じことやってるな」ってなっちゃう。

アキト:そうですそうです。でも東京だと、同じギャグやっても鮮度がそれほど損なわれないんです。それで、『面白いギャグを作る』っていう作業ができるようになったんです。これはめちゃくちゃ劇的な変化でした。

東京でのターニングポイント

アキト:東京で活動していくなかで、僕のなかで明らかなターニングポイントがあって。

――是非お聞かせください。

アキト:サツマカワRPGの単独ライブなんですけど。

――今はYes!アキトさんと『怪奇!Yes!どんぐりRPG』というユニットも組んでいます。

アキト:そのときはまだユニットを組む前ですね。2017年のサツマカワRPG単独ライブ『うれたいですか? はい/いいえ』にゲストで出演したんです。そこで僕、ありえないくらいウケて……。

――そうなんですね(笑)。

アキト:多分、サツマカワRPG本人よりウケましたね(笑)。

――(笑)

アキト:見てた芸人もみんな褒めてくれて。そこから、ライブのゲストとかに呼ばれる頻度がめちゃくちゃ多くなったんです。

――サツマカワさん本人はなんておっしゃってました?

アキト:「俺よりウケてたね」……とは言ってなかったですけど(笑)。

――言ってなかったんですね(笑)。

アキト:とにかく、周りの評価があのライブで大きく変わったのは確かですね。サツマカワRPGには感謝です。

突然の『ウチガヤ』出演

アキト:確かに東京のライブシーンでウケるようになったんですけど、事務所がなかなか決まらなくて……。そんななか、『ウチのガヤがすみません!(日本テレビ)』から出演オファーが来ました。

――フリーの状態で?

アキト:はい。番組でギャガーを探していたらしくて、知り合いの芸人がスタッフさんに僕の名前を出してくれたんです。それでスタッフさんも僕の動画を見てくれて。「是非、Yes!アキトを連れてきて欲しい」って。

――おお!

アキト:それで連絡を繋いでもらって……、オーディションとかまったくなく、いきなりの本番でした。

――すごい話ですね。

アキト:ギャグだけやってたのが実を結びました。

――反響はいかがでしたか?

アキト:すごくありました。北海道のころから応援してくれてた人たちもそうですし、親もなんとかここで安心してくれました。

――テレビ出演は初だったんですか?

アキト:全国ネットは初でしたね。それまで地元の札幌の番組とかには出たことあったんですけど。

――そうなんですね。

アキト:そこからヒロミさんがMCを務める『アオハルTV(フジテレビ)』にも呼んでいただいたりして。それのきっかけは、ヒロミさんが僕の名前を出してくれたみたいなんです。嬉しかったですね。

そしてサンミュージックに所属

アキト:『ウチガヤ』に出演して、数ヶ月後にサンミュージックに所属しました。

――それはどういう形で? スカウトですか?

アキト:普通に受けに行きました。ネタ見せに参加して、3ヶ月間ライブに出て、面談を経て……。

――そうなんですね。

アキト:サンミュージックは、フリーのときに『エルシャラカーニ』のセイワさんが「お前はおもろい!」って言ってくれて、めちゃくちゃよくしてくれて……、それで行きたいと思っていたんです。それに、僕がお世話になっている『ヒガ2000』さんも「いい事務所だよ」って言ってくれたんで。それで決めました。

――実際、サンミュージックはいかがですか?

アキト:最高ですね。何の文句もないです。

――インタビューだから気を使っているのではなく?

アキト:いえ、本当にそんなんじゃなくて(笑)! サンミュージックの芸人さん、みんな好きですし。事務所も僕が「こうしたい」っていうことに、賛成してアドバイスしてくれたりするんです。フリーが長かったせいもあるんですけど、指示されるよりも自分から動く方が性に合ってまして。そこは本当にいいですね。


子どものころは成績もよく、ギャグもやっちゃう人気者。しかし、高校で突然の挫折! この挫折があったからこそ、今のYes!アキトとそのギャグに、深みや味わいが存在するのだろう。Yes!アキトのコーヒーブレイク・インタビュー、後編へ続く!(4月10日更新予定)