天下をとりましょう、い~や!天下をとらなきゃ意味がない!【東京ホテイソン(前編)】

東京ホテイソンの武器

――これは私の持論で恐縮ですが、東京ホテイソンの漫才の良さって、『フリの美しさ』だと思っているんです。

たける:フリですか?

――ネタの導入部分のセリフ割りと喋りがすごくキレイなんです。たけるさんの合いの手が気持ちいいテンポで入ってくるんですよね。

たける:え~! そうですか?

――このお話、個人的には2回目です(笑)。

たける:(笑)

ショーゴ:でも、それは気を付けてます。それもサウンドチェックの感じで、たけるに丁寧にやってもらっています。

――やっぱりそうなんですね。それがあるから「い~や!」のツッコミがキレイに着地するんだと思っています。

ショーゴ:あんまり最初の「い~や!」のツッコミまでボケないようにしてますね。テレビ出るために、ネタのなかでいろいろやるより、とにかく1個だけ覚えてもらえるようにした方がいいかなあって。

――すみません、インタビューなのにこっちが喋ってしまって(笑)。

たける:いえ、ありがとうございます! 嬉しいです。

たけるさんの子供時代

たける:僕はどっちかって言うと、目立ちたがり屋で。陽キャというか。生徒会長やったりとか。

――なるほど。

ショーゴ:文化祭で漫才やったりしてたみたいですよ。

たける:『NON STYLE』さんの漫才を、テンポ落としてやりましたね(笑)。

――NON STYLEさんの持ち味を消さないで欲しい(笑)!

たける:いや、NON STYLEさんの漫才ってやっぱり凄すぎて! 素人の高校生には真似できなかったです。やってみたけど息が合わなくて、ボケ削って、テンポ落としてやろうって。

――(笑)

たける:バンドもやりました。

――パートは?

たける:ボーカルです。『Red Hot Chili Peppers』のコピーとかやってました。

ショーゴ:動画見ましたけど、完全なカタカナ英語でしたね(笑)。

ショーゴさんの子供時代

ショーゴ:俺はトガッてましたね……。

――いつごろから?

ショーゴ:中学くらいからでしたね。小学校のときは元気で、クラスのお笑い担当みたいな感じだったんですけど。中学で急にカッコつけちゃって。

たける:中二病こじらせてたみたいです(笑)。

ショーゴ:今思えばなんでそんなことやったのかわからないんですけど……。午前中に学校サボって、給食の時間に学校行って。その日は冷凍みかんだったんですけど、クラス全員分の冷凍みかん三十何個取って、自分の机の上に並べて。

――え(笑)?

ショーゴ:しばらくしたら、冷凍みかんが溶け始めるじゃないですか。机が水浸しになるんです。そのビショビショの机を見てニヤって笑って……。家に帰りました。

――どういうことですか(笑)?

ショーゴ:わかりません。ヤバいっすよね(笑)?

――ヤバいですね(笑)。

ショーゴ:とにかく『変なヤツ』って思われたくって。ヤバいヤツに憧れてたんですよね。他にも、晴れの日に傘を差したり、痛みを感じないキャラを演じたり……。

たける:両極端な2人ですよね。

――クラスでは、絶対違うグループの2人ですね。

ショーゴ:たけるみたいなタイプのヤツ、嫌いでした(笑)。

ショーゴさんの高校時代

――そのヤバいショーゴ少年は、どのようにしてお笑いに出会うのですか?

ショーゴ:高校1年生のときに、たまたま昔の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』を見たんです。フリートークのコーナーなんですけど。

――はい。

ショーゴ:それに衝撃を受けて。今までお笑い見てもちろん笑うことはあったんですけど、「すげー!」って思って。「芸術じゃねーか!」って。

――感動したんですね。

ショーゴ:はい。そこからDVD借りまくって。松本人志さんの『遺書』も読んで。

――発売されてから何年も経つので(初版1994年)、ショーゴさんの世代では珍しいと思うのですが……。

ショーゴ:この世代で高1で『遺書』を読んだヤツ、俺くらいしかいないかもしれません。影響受けすぎて、周りには「『遺書』食っただろ」って言われました。

――それで、高校を卒業してNSCに行くんですか?

ショーゴ:いえ、すぐには行かなかったです。高校卒業して、とりあえず何もない状態になりました。

――普通は進学か就職か選ぶと思うんですが……。

ショーゴ:進路希望を白紙で出したんですよ。かっこつけちゃって。それで親呼ばれちゃって大変なことになって。仕方がないから「留学します」って言って。

――留学したんですか?

ショーゴ:しませんでした。それで何もない状態になったんです。カナダには行きたかったんですけど。

――なぜカナダ?

ショーゴ:ナイアガラの滝を見たくて……。

たける:それは留学じゃなくて旅行だよ(笑)!

ショーゴ:その時期に『ドラゴン桜』見て、東大目指したりもしてました。影響受けやすいんですよね。参考書買ったんですけど、問題の意味もわからなくて……。

――(笑)

ショーゴ:バイトしながらそんな生活してたんですけど、中学のときの同級生から突然連絡があって、「芸人やらないか?」って言われて。

――おお!

ショーゴ:もともとやりたかったんで、それでコンビを組みました。

――コンビ名は?

ショーゴ:『サンパウロ』です。相方が大学生だったんで、大学生対象のネタ見せとかに行きました。そこで褒められて真に受けちゃって。それで芸人の道に。高校卒業して1年後の、19歳のときにNSCに入学します。

――そこで、先ほどのケンカ事件に繋がるんですね。

M-1グランプリへの想い

――現在、3年連続で準決勝進出しています。

たける:毎年、準々決勝が1番ウケるんです。準決勝の壁が厚いですね。

ショーゴ:去年、だいぶ形を変えて手応えもあったんですけど。

――確かに、準決勝ではかなりウケていました。

たける:敗者復活のときに、『カミナリ』のたくみさんから聞いたんですけど、他の芸人さんたちが僕らのネタのときに楽屋で盛り上がってたらしくて。

――盛り上がっていた?

たける:みんなして僕らのネタにツッコんでたらしいんですよ。「なんやねんこいつら(笑)」「セリフなげーよ(笑)」「ためすぎだろ(笑)」とか……。

――(笑)

たける:それはめちゃくちゃ嬉しかったですね。

ショーゴ:「バカだなあ」って言われたいもんね。

――来年以降はどうなりそうですか?

ショーゴ:でも、俺ら決勝行っても売れないと思うんです。

――というのは?

ショーゴ:何度かテレビで漫才やらせてもらえてるんで。もうインパクトはないと思うんです。優勝するしかないですね。

たける:優勝しないと意味がない。

――最低優勝ということですね?

たける:そう言っちゃうとちょっと……(笑)!

ショーゴ:「優勝したい」ということにしておいてください。

――わかりました(笑)。

ショーゴ:でも、優勝したとしても売れるかどうかわからないんで、M-1以外のことにも目を向けていきたいとも思ってます。

たける:そうだね。

ショーゴYouTubeも、やってみたら再生回数が思ったより行ってたんです。今はネタばかり上げているんですけど、もっと伸びるような動画も作ってみたいですね。

たける:もちろん、漫才をないがしろにするってことじゃないですけど。

――わかります。

ショーゴ:いろんな経験をした方が、面白いと思ってもらえる芸人になれると思うんです。それが漫才にも生きてきますし。

たける:M-1のためにも、M-1以外のことも頑張る、みたいな。

ショーゴ:でも、もし優勝するなら……、すごくアホなネタで優勝したいですね。


もし同じクラスだったら、きっと違うグループにいたであろう『陰と陽』の2人。その2人がネットで知り合い、音にこだわって漫才を作る。はたして、笑いの神様は2人に微笑むのか? い~や!微笑むに違いない! 東京ホテイソンのコーヒーブレイク・インタビュー、後編へ続く!(3月27日更新予定)