陽キャに憧れた少年がお笑いの道へ【サツマカワRPG(前編)】

そして事務所に所属

サツ:はい。3年生も後半になると周りも就活を始めて……、僕はまだプロになるか迷ってて。WCSから全員、事務所に所属できるわけじゃないんですよ。じゃあ、このまま所属できたら、ちょっと才能があるのではないかなって。

――そこで認められるなら……。

サツ:はい。で、所属できることになって。「じゃあやってみよっかな」って感じで。

――大学があと1年ありますが。

サツ:大学最後の1年は、ワタナベ所属の1年目として過ごしました。

――では、大学は無事卒業するんですね。

サツ:はい。同時にワタナベからも離れました。

――え!

サツ:若手がたくさんいて、競争もすごかったんで……。

突然なにもない状態に

――大学も事務所も一気になくなりました。

サツ:そこから就活をしまして。

――芸人の道ではなくなるんですね。

サツ:食品関係の会社に内定をいただきました。そしたら、「あ、俺は内定が出る人間なのか~」って思っちゃって。

――うん?

サツ:芸人続けてて、売れなかったら野垂れ死ぬとか、ずっと思ってたんですよ。でも、就職はできるレベルの人間なんだってことがわかったんです。

――そこまで社会的にまずい人間じゃないぞ、と。

サツ:そうですそうです。それで安心して、内定、蹴っちゃったんですよ。今思えば失礼な話なんですけど。

――(笑)

サツ:芸人としてテレビに出たこともないし、まだやってないことがたくさんあるぞって。

――芸人の道に戻りました。

サツ:そこから、フリー武者修行の時期が始まります。フリーって、お笑いに関わる時間を自分で作らなきゃいけないじゃないですか。

――そうですね。

サツ:お笑いをしていない時間が不安になっちゃって。24時間365日、できるだけお笑い芸人でいようってことばかり考えてました。それで、とりあえず、ライブにめちゃ出ようと思ったんです。

――なるほど。

サツ:エントリーライブ(※芸人が主催側にエントリー料を支払って出演するライブ)に出まくってましたね。バイト代をライブのエントリー代にして。月40本くらいとか。

――仮に1回のエントリーが2000円として、40回出たら8万円です。

サツ:はい。それで、お客さんが2~3人のライブもありました(笑)。

――フリー武者修行はどのくらい続いたんですか?

サツ:3年くらいですかね……。ケイダッシュステージに入るまで。

――他の事務所も行ったんですか?

サツ:はい。いろんな事務所に通ってたんですけど。どこもライブは出られるけど所属まで行かない、みたいな。それで、よくしてくれてる事務所の方に言ったんです。「この状況が続くんであれば、別の事務所行こうかなって考えてます」って。

――はい。

サツ:そしたら「そうなんだ。今までウチ来てくれてありがとね」って。軽い感じで言われて(笑)。

――悲しい(笑)。

サツ:で、そこを離れることにして。たまたまその日から一番ネタ見せ日程が近かったケイダッシュステージに行ったって感じですね。そしたら所属できるところまで行って。

――折れることなく続けていた結果ですね。

サツ:ライブでウケてたってのがデカイですね。ずっとウケてましたから!

――自分で言う(笑)!

サツ:だから、やめられなかったですね。それは大学お笑いのときから変わってないです。「あいつ、アマチュアだとは……、思えないぜ……」みたいな(笑)。

――自画自賛がすごい(笑)。とにかく、ケイダッシュステージに落ち着きました。

サツ:はい。

ピン芸人として……

――今はショートコントを中心にやっていますが、ずっとこの芸風ですか?

サツ:『○○芸人』みたいなのが必要だと思った時期があって。

――ありますね。『家電芸人』とか。

サツ:それをネタに落とし込むのが一番いいぞと思って。友達に「『○○芸人』って適当に言って」って言って。それでネタ作ったこともありました。

――それで、そのときは何芸人に?

サツ:『牛乳芸人』です(笑)。それでライブで白と黒の乳牛の衣装着て。牛乳瓶持って「どうも~。牛乳芸人のサツマカワRPGでーす! 牛さんのお乳の出が悪いんで、ギャグやって、出をよくしまーす!」って。

――(笑)

サツ:そのライブでは最下位でした(笑)

――コンビを組んだことは?

サツ:WCSのときに、『フレンチぶる』の大西と一時期、漫才やってました。ピンと並行でしたけど。

――コンビ名は?

サツ:聞いたことあると思うんですけど……。『でもキャッチャーでぶ』っていうコンビです。

――まったく聞いたことないです(笑)。

サツ:僕がボケで、大西がツッコミで。

――『でもキャッチャーでぶ』は、どういう経緯で?

サツ:当時、同じクラスだった大西から誘われて。僕も大西のことは面白いやつだと思ってて。イケメンだし、華あるし。そのときだけのコンビでしたけど。

――そこからはずっとピン。

サツ:はい。でも、フレンチぶるとは仲良くて。トリオでやろうとしたこともありました。

――それはそれで見てみたい気もします(笑)。個人的には、ショートコントではないですが、パンのネタが好きです。

サツ:ありがとうございます! 今、いい感じでYouTubeに動画が上がってるんで、是非見てほしいです。


陽キャに憧れ続けて紆余曲折した少年が、やっと大学で『お笑い』という自分のいるべき場所を見つける。そして今や、存在感あふれる唯一無二のピン芸人に。サツマカワRPGのコーヒーブレイク・インタビュー、後編へ続く!(1月31日更新予定)