これからは何が王道って時代じゃない!【ねじ(後編)】

前編は、高校時代に『M-1グランプリ』に挑戦した話、養成所時代、そして秋田への挑戦について聞いてきました。後編は2人の子ども時代、毎日更新しているYouTubeとゲーム配信、そしてこれからの夢を聞いていきます。ねじに……、コーヒーブレイク・インタビュー!

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、リモートによるインタビューとなっております。画像は、リモート画面のキャプチャーと、ご本人よりご提供いただいたものを掲載しております。

(リモートインタビュー キャプチャー画像)

せじもさんの子ども時代

――お2人はどんな子どもだったんですか?

せじも:僕は、さっきも出たんですけど、親が教育ママで……、公文やってました。冬はスケート教室に行って。小学校の高学年はパソコン教室にも通ってました。

ササキ:習いごとの紹介ばっかり(笑)。

せじも:え? 違うの? えっと……。元気な子でした。

――(笑)

せじも:1人で何かするのがけっこう好きで。小4くらいのときですかね? 「誰よりも早く学校に行きたい!」って思って5時くらいに起きて、そのまま学校行って。誰もいない体育館の真ん中で寝てるっていうのを、生業にしてました。

――生業だったんですね(笑)。

せじも:あと工作が好きだったんで、ミニ四駆にハマったり。僕がミニ四駆の肉抜き(ボディを削って軽量化する改造方法)が得意っていうのが有名になって、突然知らない下級生の子が僕の家に「僕のミニ四駆、肉抜きしてください」って外部発注が来たり。

――(笑)

せじも:ポケモンも好きで。僕が周りで1番最初にすっごい分厚い攻略本買ったんです。そしたらまた知らない下級生の子が「この家にポケモンの攻略本があるって聞いたんですけど」ってやってきたり……。

ササキ:完全に田舎の文化だな(笑)!

――先ほどは教育ママの話も出ましたが、成績は良かったんですか?

せじも:めっちゃ頭良かったんですよ! 公文のおかげで、学校の勉強より2個3個先に進んでる感じで。中学校でも英語の成績とかもよくて。

――失礼ですが、今のせじもさんから想像しにくい感もありますが……。

ササキ:大丈夫です。ここからいいところです(笑)。

せじも:ある日、事件が起きるんですけど……。中学2年の英語の授業のときです。普通に黒板を書き取りしてたら、突然頭のなかで『バーン!』って破裂音がしたんです。後ろ振り向くくらいの大きな音で。「え? お前なんかやった?」くらいの。

――はい。

せじも:で、何だったんだろうと思いながら改めて黒板見たら……、書いてある英語が全部わかんなくなっちゃったんですよ(笑)。

ササキ:めちゃくちゃ怖くないですか? この話(笑)。

――不思議な話です(笑)。

せじも:そこから成績が落ちていきました。

――原因はわからなかったんですか?

せじも:わからないです。あれ以来英語が全然わかんなくなりました(笑)。

ササキ:よっぽど勉強がイヤだったんだろうね。たまに比喩表現でありますけど。『詰め込みすぎて破裂した』って。本当に破裂したヤツは初めて聞きましたね(笑)。

――確かに(笑)。

1人で楽しめる性格

ササキ:あとせじもさん、あの話してください。登校途中の……。

せじも:あ、そっちか。わかりました(笑)。僕の中学校の入口のところに街灯があるんです。その支柱の目線くらいのところに穴が開いてて……。ふと、その穴に興味が湧きまして。「なんかピッタリハマるものあるかな?」と思って、筆記用具を探したんです。

――はい。

せじも:そしたらその穴が、スティック糊とちょうどサイズが一緒だったんです。スポッて入って。「あ、なんか気持ちいい」ってなって。そこから毎日、卒業するまで、その穴に糊をひと塗りしてから学校に入るという生活をしていました。

ササキ:そのことを誰にも教えず、卒業のときに、3年分溜まったその糊を剥がしたっていう……(笑)。

――なんですかこの話(笑)。載せますか?

せじも:載せてください。これは載せてください(笑)!

――朝早く登校していた小学校時代もそうですけど、本当に1人で楽しめちゃうんですね。

せじも:そうですね。学校の裏に沼があって、そこでバス釣りもしてたんですけど。夏休み中は毎朝そこでバス釣りして、沼の地図描いて、データ取ってましたね。

ササキ:マメではあるんですけど、本当に1人で勝手にマメなことやるんですよ。変わってるなあって思いました。

――確かに(笑)。

ササキさんの子ども時代

――ササキさんの子ども時代は?

ササキ:クラスで目立つことはしないけど「俺の方が面白い」って思ってるタイプです。できねえくせに、他人のことばっかり偉そうに評価してましたね(笑)。

――イヤな感じですね(笑)。

ササキ:最初に話したように、僕、小学校高学年くらいからプロレスラーになろうと思ってたんです。それで、中学は柔道部に入りました。

――なるほど。

ササキ:柔道部で投げ技と寝技はわかったんで、高校は打撃をやりたいと思って、ボクシング部のある高校を探したんです。それで僕が入れるのが金足農業で。

――そこで先ほど(前編)の熱血先生に出会うんですね。

ササキ:そうです。それで、中学の柔道部が文化系ばかりでめちゃくちゃ居心地がよかったんですけど、本来格闘技って体育会系じゃないですか。そのボクシング部は体育会系で。肌に合わなかったんです。ケンカ自慢が集まっちゃうような……。顧問が来れないときは「ちょ、1回(試合)やろうぜ」みたいな。

――想像つきそうなものですが(笑)。

ササキ:よく言われるんですけど、本当に柔道部が緩かったんです。で、よく考えたらプロレスラーなんてマジでそうだよなって思って。こんな血の気の多い人たちのなかでやっていくのは無理だなって思って。

――それで『M-1』に繋がっていくんですね(笑)。

「お笑いっていいな」って思った瞬間

ササキ:『M-1』の話はせじもとの出会いだし、お笑いを始めたきっかけだったんでいろいろなところで話してるんですけど……。その前に、あんまり話したことないんですけど「お笑いっていいな」って思ったことがあって。

――聞かせてください。

ササキ:小学校6年生のときの話で。委員会ってあるじゃないですか。僕は図書委員で。それを低学年の子たちに紹介する発表が全校集会であったんです。

――ありますね、そういうの。

ササキ:演劇形式で発表することになって。僕がその配役を決める日に学校を休んじゃったんです。そしたら役のなかに「僕は図書委員のかっこいいお兄さんさ!」みたいなギャグポジションがあって。休んだ僕にあてがわれちゃったんですよ。

――小学生らしいエピソードです。

ササキ:役自体もイヤだったんですけど、それ以上に、配役をあてがわれたみんなのノリがイヤだったんですよ。

――わかります。

ササキ:ササキはその役もらって。家帰って。泣いてますよね。

――(笑)

ササキ:母親に「明日学校に行かない!」って駄々こねて。そしたら母親が「その台本貸して。私がやるから見てなさい」って。リビングでやりだしたんです。

――母の愛。

ササキ:「振り切ってやったら恥ずかしくないんだ」って力説してきて。台詞にターンとか振り付けを入れ始めて。クルッと回って「かっこいいっ! お兄さんさっ!」ってやれば全然恥ずかしくないって言うんです。僕は「ええ~?」って思って(笑)。

――確かにそうかも知れませんが、小学生には衝撃の発想ですよね。

ササキ:母親がとにかく何回も「やりなさい」って言うんです。それでリビングで台詞を言いながらクルクル回されて。

せじも:(笑)

ササキ:やっていくうちに、動いてたらだんだん楽しくなってきちゃって。僕もその気になってきちゃって。「やってみようか」って思ったんです。

――素晴らしい教育ですね(笑)。

ササキ:結局、次の日はちゃんと学校に行って。全校集会本番です。周りは「アイツどんな風にやるんだろクスクス(笑)」みたいな雰囲気だったんですけど。僕はターンを携えてますし。「もうやってやる。知らん!」って半ギレになってますし。

せじも:男の顔だよ!

ササキ:本番で、リビングでの練習通り「かっこいいっ! お兄さんさっ!」って思いっきりターンしました。そしたらめちゃくちゃウケたんです! 全校大爆笑。

――やりましたね。

ササキ:その全校集会でウケた感覚と、周りの目が一気に変わる感覚が、めちゃくちゃ快感だったんです。それで僕は「お笑いっていいな」って。それが最初ですね。

(秋田で酒造見学)

せじも少年とお笑い

――そういえば、せじもさんの子ども時代にお笑いの話は出てきませんでした。

せじも:漠然と「楽しそうだな」とは思ってました(笑)。小学生時代に『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば』とか『ボキャブラ天国』見てて。次の日に仲良い友だちと教室でマネをして、クラスのみんなの笑いを取って、喜びに浸ってるっていう人間だったんですけど……。

――喜びに浸ってたんですね。

せじも:中学生になって『爆笑オンエアバトル』も始まって。それもマネして。人を笑わせるのは楽しいとは思ってました。

――いわゆるクラスの人気者タイプ。

せじも:いや、全然人気はなかったです(笑)。

ササキ:(笑)

せじも:そんなに人気は出ないのに、テレビのマネしてました(笑)。

――悲しい(笑)。

せじも:小学校で放送委員をやってたんですけど……。でかいラジカセが家にあって、テレビを受信できたんです。カセットテープでテレビを録音して、給食のときに『SMAP×SMAP』の後半とかを流してました。

――ネットに流したりしたら違法ですけど。営利目的じゃない、小学校の放送委員のやることですからね(笑)。

せじも:放送委員って放送室で給食食べるんで……、誰からもリアクションはなかったんですけど。

ササキ:人気ないなあ。小学校の放送としては革新的だけど(笑)。

せじも:そんな感じで「お笑い芸人になりたい」というより、お笑いとか好きだった感じです。将来は大工さんになりたいと思ってました。

――それはなぜ?

せじも:親戚のおじさんに大工さんがいて。その人がすごく楽しそうな人生をを送ってたんですよ。週末になると必ず釣りに行ってて。近所では釣り名人として有名で。そういう人生送りたいなと思ってました。

――しかし、大工さんではなくお笑い芸人になりました。

せじも:ササキくんとの出会いですね。

ササキ:お笑いについて初めて同じ温度で喋れるヤツに出会ったって感じだよね。

せじも:それでササキくんに「コンビ組もうよ」って誘って、このインタビューの最初(前編)に繋がるんです。