解散を経てアラサーからのリスタート【キズナ(前編)】

(リモートインタビュー キャプチャー画像)

ライブシーンで人気を博す

――『ザンゼンジ』はライブシーンではかなり活躍していました。

武田:でも、食えてなかったですね。

――人気があったイメージですが……。

武田:一時、毎日のようにライブ出ている時代があったんですよ。で、あるライブでMCの人が「武田ブサイクだな~」ってイジってきたんです。で、僕も「ブサイクじゃね―わ」ってやり返して。

――はい。

武田:それで僕はその場にいた『ラフレクラン』の西村くんと「お客さんの拍手でどっちがブサイクか決めよう。勝負だ!」って提案したんです。

――西村さん、男前ですからね。武田さんが完敗して笑いを取る展開に持っていったんですね。

武田:はい。そしたら、拍手がちょうど五分五分だったんです。

――(笑)

武田:それで変な空気になっちゃって。僕、西村くん、お客さん、全員スベりましたね(笑)。

小野:(笑)

武田:そのくらいの人気はありました(笑)。

――でも、食えてなかった。

武田:本当にライブばっかり出てて。どんどん芸風がそっちに寄って行っちゃって。テレビで全然ウケないし……。

――なるほど。

武田:めっちゃ焦ってました。『キングオブコント』でも周りはみんなどんどん決勝行くなか、僕らは準決勝止まりで。でもライブに出たらウケて。テレビのオーディションには受からなくて。「どうしたらいいんだ?」って毎日思ってました。

9年の活動ののち解散

――『ザンゼンジ』はどのくらい活動していたんですか?

武田:9年です。

――先ほど「焦っていた」というお話もありましたが、なぜ解散してしまったんですか?

武田:今はそんなことないんですけど、当時、めちゃくちゃ仲悪くなって。いろんなことをお互いがお互いのせいにしてましたね。今思えば全部自分のせいなんですけど。

――そうなんですね。

武田:相方にムカつきすぎて、パソコンで『相方 ボコボコ』って検索したことあります。

――検索結果はいかがでしたか?

武田:板金屋さんがヒットしました(笑)。

――解散はどちらから言い出したんですか?

武田:僕から言いました。そんなに引き止められることもなく、あっさりと解散しました。

『キズナ』を結成

小野:解散は『ザンゼンジ』の方が早かったんですけど、ほぼほぼ同時期で。僕が「これからどうするか」って悩んでいるときに、武田さんの方から声をかけてもらいました。

武田:僕自身、解散してピンでやったり、違う人と組む話もあったりしたんですけど、どれも「うーん」ってなって。辞めるくらいまで考えました。結婚もしてますし。

――そんななか、小野さんと組むことになります。

武田:恥ずかしいですけど、単純に遊んでて1番楽しかったんですよ。プラス、ネタも本当に面白かったんで。このノリを2人でやれれば、極論失敗しても人生楽しいんじゃないかって思ったんです。

小野:(笑)

武田:2人でふざけたいって欲が強いですね。

――それまで2人は仲が良かったんですか?

武田:いっとき僕らを含めて、芸人4人で住んでたことがあるんです。それでプライベートでも遊んだりしてて。ほぼほぼ同期みたいな感じになってます。

コンビ名の由来は?

小野:完全にギャグで(笑)。変に仲良かったんで「ぜってー売れような」みたいなノリで。

武田:コンビ名マジで付けたらカッコ悪い、みたいな(笑)。

――芸歴的にも、本気で命名したら照れ臭いものがあるかもしれませんね。

武田:『キズナ』即決でしたね。僕が変に盛り上がっちゃって。小野ちゃんは若干引いてたかもしれないです(笑)。

小野:(笑)

――しかし『キズナ』は検索で引っかかりにくいのでは?

武田:逆に、引っかかりにくいのがいいなと思ったんです。エゴサーチして見ちゃうんで。

――確かに『ザンゼンジ』は造語ですから、検索しやすかったですよね。

武田:エゴサーチが時間の無駄だし、ちょっとずつそれに流されちゃう自分もイヤだったんです。

――あえて、引っかかりにくい名前にしたんですね。

武田:でも結局エゴサーチしちゃってますけどね。『キズナ 芸人』とか『キズナ 馬じゃない』とか。

――『馬じゃない』(笑)。余計馬が出てきそうな気もしますが(笑)。

小野:でも、僕も前に比べて全然エゴサーチしなくなりましたね。

武田:この名前で「めんどくさいな」って思う瞬間もあって……。めちゃくちゃ「競馬好きなの?」って言われるんですよ。でも特別競馬が好きというわけでもないんで。

――やはり、カタカナで『キズナ』と言えば、有名なサラブレッドがいますから。

武田:そしたら「じゃあなんで『キズナ』なの?」ってなるんです。「ガチの2人の『絆』なんです」って言うんですけど、これ、めちゃめちゃスベるんです(笑)。

――それ言い出したら、すべてのコンビに『絆』はありますからね(笑)。

武田:でも、芸人のなかではアイパー滝沢さんが、唯一『キズナ』を褒めてくれました。

――なんて仰ってました?

武田:「暴走族みたいでめちゃくちゃかっこいいな」って(笑)。

(ネタ合わせ風景)

ネタは書かない?

武田:小野ちゃんと組んでびっくりしたのは、ネタの台本を書かないんですよ。頭の中で作るんです。

小野:そうっすね。書かないっすね。

――それは『イシクラノオノ』時代から?

小野:そうですね。書かなかったですね。

武田:それでネタ忘れないんすよ。俺めっちゃ忘れるんで……。

――(笑)

武田:めっちゃ怒られたことがあって。照明がついたら小野ちゃんがブリーフ一丁で卓球しているところから始まるコントがあって。そこに学生服を着た僕が入ってきて、なんで小野ちゃんがブリーフなのかだんだんわかっていくっていうネタで……。

――はい。

武田:僕がネタ間違えちゃって、なんでブリーフなのか、すぐ言っちゃったんです。

小野:(笑)

武田:ボケがないコントになっちゃって。当時、組んだばかりだったので、周りには「『キズナ』の芸風、とんでもなくシュールだな」って思われちゃいました(笑)。

――(笑)

コント1本で勝負

――設定が面白いコントが多いですよね。

小野:設定褒められると嬉しいですね(笑)。

武田:嬉しくない人いないでしょ(笑)。

小野:「やってる設定はベタだけど、切り口が違うっていうのがいいよね」って言われたことがあって。それは意識してます。

――主にコントをやられていますが、漫才などに挑戦したことは?

武田:ないですね。

――『M-1グランプリ』に挑戦したりもしないですか?

武田:ないですないです。

小野:武田さんの演技力が絶望的になくて。漫才も言ったら演技じゃないですか。それがちょっと見てらんないんで(笑)。

武田:(笑)

――自然なお喋りの演技より、芝居がかっている演技の方がやりやすいんですね。

武田:そうですそうです! それしかできない……。それもできてない可能性もありますが(笑)。

――『ブルドック』時代などは漫才をやられていました。

武田:『アンタッチャブル』さんと『おぎやはぎ』さんに憧れていたので『スクールJCA』時代も漫才をやったんですよ。そしたら講師の方に「頼むから漫才辞めてくれ」って言われて(笑)。そこからコントにしました。

小野:(笑)


偶然、同時期に解散した2組。しかし、もともと仲の良かった2人が組むことになったのは、ただの偶然ではないのかもしれない。いつの日か『キズナ』のみの検索でも2人がヒットする日を祈りつつ……。『キズナ』のコーヒーブレイク・インタビュー、後編へ続く!(6月19日更新予定)