前編では、芸人を始めたきっかけ、コンビ時代、芸名の由来、地下アイドル活動、吉高由里子さんのモノマネのことなどを聞いてきました。後編は、子供時代、趣味、そして誰にも見せたことがないという『目標が書かれた紙』について聞いていきます。アイドル鳥越に、コーヒーブレイク・インタビュー!
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、リモートによるインタビューとなっております。画像は、リモート画面のキャプチャーと、ご本人よりご提供いただいたものを掲載しております。 |

向上委員会でモニター横に
――『さんまのお笑い向上委員会』にモニター横芸人として出演しました。
鳥越:まだ解散して1ヶ月経ってないくらいでオーディションに行かせてもらって。「私、解散したばっかりでまだネタも何もないんです。でも死ぬほど出たいので、今自分ができること全部やります」って言って。
――なるほど。
鳥越:アイドルとしての歌はあったんで、それ歌ったんです。でもその日は声の調子が悪かったんで、カラオケ音源じゃなくて歌が入っている音源に被せて歌って。そしたら盛大に歌詞間違えて。スタッフさんの間で「なんだこいつ?」ってなったらしくて(笑)。
――(笑)
鳥越:「これもできます、あれもできます」って感じで、お店屋さん状態でいろいろ道具出してやって。
――とにかく「出たい」という気持ちはあるんだと。
鳥越:1組15分でオーディションが進んでたんですけど、私の前の人が30分やってたんですよ。めっちゃ笑い声聞こえてきて。それで私「絶対45分やってやろう」って決めて。
――ただでさえ押してるのに……(笑)。
鳥越:なんだかんだ45分やって。それがイカれてたのか知らないですけど、合格いただいて(笑)。
――手応えはあったんですか?
鳥越:オーディション中、みなさん頭抱えてました(笑)。それがどっちに転ぶかはわからなかったですけど。『無(む)』ではなかったなと思います。
――本番では土田さんとよく絡んでました。
鳥越:収録のときは緊張で味方が欲しくて。接点ある人を探したんです。その日はホリプロコムの先輩もいなくて。そしたらツッチーがアナ学の先輩だって気付いて。助けを求める気持ちで……。
――番組では一応『お友達』ということになりましたが……。
鳥越:最初メチャクチャ嫌がられていたと思います。でもだんだん優しい対応になってくれて。本当に感謝です。
――なかなか勇気ある絡み方だったと思います。
鳥越:無知だったから行けたんだと思います(笑)。最後、楽屋にあいさつに行って、私のCDプレゼントしてきました。「うん、絶対聴く」って言ってくれて(笑)。
――(笑)
鳥越:土田さんが帰られたあと、楽屋覗きに行って。そしたら置いてってなかったんで安心しました。ちゃんと持ち帰ってましたよ(笑)!
――そこチェックします(笑)?
どんな子どもだった?
鳥越:中学のときのあだ名が『火星人』『アバター』『ドッスン』とかでした。
――『ドッスン』とは?
鳥越:『スーパーマリオブラザーズ』に出てくる『ドッスン』です。顔が似てるって言われて……。人外ばっか(笑)。
――もしかして、イジメられていたんですか?
鳥越:イジメられてない! 人気者だった! 文集にも周りから『将来芸人やってそう』って書いてもらってますし!
――そのころから今の片鱗はあったんですね。
鳥越:あと、オタクでした。オタクだけどひょうきん者で、基本誰とも仲良くできました。暗い子ともアニメの話で盛り上がったり。でも、今思えば、クラスのどのグループにも属してなかった気も……。
――(笑)
鳥越:いや、違う。大丈夫だから! 心配しないで! 本当に人気者だったんです! 今でもみんなと連絡取ってるし!
――大丈夫です。疑ってないです(笑)。
声優を夢見た中学時代
――オタクということですが、前編で「もともと声優になりたかった」というお話を伺いました。
鳥越:メチャクチャオタクでしたね。中学で『テニスの王子様』にハマって。
――そうなんですね。
鳥越:よく池袋にいるような典型的な女子のオタクで。バッグに同じ缶バッジをブワーッってつけてるみたいな。福島でそれやってました。
――(笑)
鳥越:それで『テニスの王子様』に出演している声優さんで高橋広樹さんって方がいらっしゃっるんですけど。当時メチャクチャファンでしたね。高橋広樹さんが東京アナウンス学院出身で、中2でアナ学入るって決めました。
――なるほど。
鳥越:好きすぎて、同じところ歩みたかったんですよね。ミーハーなんです(笑)。
――実際にお会いしたことは?
鳥越:高校のときに、ファンクラブのイベントでお会いできたんです。そのとき「これから絶対声優になって、共演するので待っててください」って言って。高橋さんも「待ってるね」って言ってくださって。
――素敵な話ですね。
鳥越:それで、専門学校に入って、本格的に声優を目指し始めたときに「ファンじゃなくて共演者なんだ」って思い始めて。いずれ会えるだろうと思って、ファンクラブは辞めました。
――その後、実際にお会いできたんですか?
鳥越:会えてないです(笑)。
――高橋さんが、ずっと待ち続けてる状態ですね(笑)。

部活動は?
鳥越:中高と吹奏楽部です。
――パートは?
鳥越:中学のときは、ジャンケンに負けてユーフォニアムを。今やアニメの『響け!ユーフォニアム』で人気ですけど、当時はユーフォ自体知らなくて。私、目立ちたかったんで……。
――(笑)
鳥越:高校入って、なんとしても目立つ楽器をやりたいと思って、最初フルートに行ったんです。で、構えてみたらなんか似合わなくて(笑)。
――そんなことあるんですか(笑)?
鳥越:それで他にないかなと思って探したんですけど、ウチの高校が吹奏楽部強いところで。トランペットは中学からのエリート集団で、推薦で入った子がやってるんです。トランペットは諦めて……。そしたらトロンボーンがいなくて。
――トロンボーンは目立つかもしれませんね。
鳥越:ディズニーアニメとかでも出てくるし、かっこいいなあって思って。高校ではトロンボーンをやりました。
――今でも吹けるんですか?
鳥越:たまにスタジオとか借りて吹いてます。ネタとかに生かしたくて。ただ、トロンボーンって吹いている間喋れないんで、それどうにかしないと(笑)。
――確かに(笑)。
鳥越:高校のときの部活がめっちゃ厳しくて。私そこでやっと礼儀を知ったんですよ。中学で先輩とか先生に敬語とか使ったことなかったんですけど、そこで叩きのめされました。
――(笑)
鳥越:休みは正月の三が日だけでしたし。朝から晩まで練習で。朝も先輩より早く来なきゃいけないんですけど、先輩が7時とかに来るんで、6時半に学校行って楽器拭いて。昼もお弁当マッハで食べて練習して。放課後も夜遅くまで……。終電ある子から帰るんですけど、私、家が学校の真向かいだったんで、最後まで残って(笑)。
――いい経験だったかもしれませんね。
鳥越:3年生になったときにやめちゃうんですけど。
――それはなぜ?
鳥越:東京に行く資金を貯めたくて。そんな生活だったんで、バイトなんかいれる暇なかったんです。3年生のときはバイトしてました。
――何のアルバイトですか?
鳥越:アパレルです。お洋服屋さんの細かいモノマネとかできます(笑)。
執念のメイド喫茶
鳥越:バイトと言えば。今、自粛で仕事がないんで、メイド喫茶でバイト始めたんですけど……。
――はい。
鳥越:地下アイドルの友達に紹介してもらって、メイド喫茶のバイトの面接を受けたんです。で、2、3日後に合否のメールをいただく流れになって。2日後くらいにメールが来たんですけど、結果、落ちてたんですよ(笑)。
――紹介なのに(笑)。
鳥越:紹介してくれた子に「落ちちゃった。せっかく紹介してくれたのにゴメンね」って言ったら「え? それって何かの間違いだよ。鳥ちゃんかわいいもん。もう1回受けてみなよ」って。それで1週間後に同じ店舗行ったんです。
――え?
鳥越:面接官も一緒で。「お久しぶりでーす」みたいな感じで。で、同じような話して……。「じゃあ、またご連絡します」ってことだったんで、店を出たんです。そしたら、店出たその瞬間に不合格のメールが来て(笑)。
――(笑)
鳥越:私も意地になって、もう1回面接に行ったんです。
――いやいや(笑)。
鳥越:「本当に何度も来て申し訳ないんですけど、合格するまで受け続けるんで、ご検討よろしくお願いします」って丁寧に言って……。
――言葉は丁寧かもしれませんが、内容は脅迫に近いです(笑)。
鳥越:向こうも「それは困るので、合格でいいです」ってなって、受かりました(笑)。
――怖い話でした。
鳥越:いやいや! 『諦めないことがいかに大事か』をみんなに伝えたいんです! そういう話です!
――結局、自粛期間中はそのメイド喫茶でアルバイトをしているんですね。
鳥越:でも、私人気なくて……。接客しないで、料理作ったりトイレ掃除したりばっかりで。マジなメイド作業しかやってないんです(笑)。
――(笑)
鳥越:「萌え萌えキュン」とか、魔法かけるの夢だったんですけどー(笑)!
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