諸行無常に進化を続けるコンビ【ドドん(後編)】

『THE 南無ズ』MVがバズる!

――『THE 南無ズ』のYouTubeチャンネルも開設していますが、MVのクオリティが高いですよね。そして『てら・テラ・寺』のMV現在38万再生突破(2020年2月14日時点)

安田:ありがとうございます!

――どのように作っているんですか?

石田:同じ事務所の『エーデルワイス』の門田さんが監督で。もともと映像系の学校を出てまして。

――機材もけっこういいものなのでは?

石田:門田さんの、その映像系の学校の同級生に機材マニアの方がいて。全部持ってきてくれたんです。レーンみたいなのとか。

――おお!

安田:『てら・テラ・寺』でロケしてるお寺は、『坊主バンド』のメンバーの方のお寺なんです。快く貸していただきました。

石田:「石田さんがいるなら、触っちゃいけないものとか判断できると思うんで」ということで。

――ありがたいですね。

石田:あのMVがきっかけになって、お仕事のオファーもいただきました。

――しかし、お金もかかったのでは?

石田:赤字スタートですね(笑)。

安田:でも、『THE 南無ズ』もちゃんとマネタイズしていこうと思ってて。今のところプラスになってます。

――安田さんのバンドマン時代のノウハウが生きてますね。

石田:あとはバンド内恋愛だけ気を付ければ(笑)。

安田:これで俺が『おがみ おが』と付き合ったら、殺してください(笑)。

アイドルは諸行無常

――石田さんはアイドル好きですよね。

石田:好きですね~。

――なかでも好きなのは?

石田:幅広く好きなんですけど、ずば抜けて好きなのは『でんぱ組.inc』ですね。あと、『虹のコンキスタドール』がアイドルの解散が相次いでるなか、頑張ってますね。実力派です。

安田:でんぱ組のライブに行って、毎回、号泣して帰ってきますから。

石田:毎回じゃないでしょ(笑)! 熱くはなりますけど……。

――素人考えで恐縮ですが、アイドルは煩悩を刺激するのでは……?

石田:煩悩じゃないんですよ!

安田:(笑)

――と、言いますと?

石田:最も諸行無常を感じられる。それがアイドルなんです!

――諸行無常。形あるものはなくなるという……。

石田:そうです! アイドルは必ず! 僕の目の前からいなくなるんです!

――(笑)

石田:幸せだけを与えてくれないんですよ、アイドルって。この間も大好きな子が結婚しましたけど、消失感はないんです。

――なぜ?

石田:失うのはわかっていたから。

――(笑)

安田:語るんだよなあ(笑)。

やっていたスポーツは?

石田:僕は水泳しかやってこなかったですね。幼稚園のときにスイミングスクール入って。小中と水泳部で。高校は水泳部なかったんで、地元のプールに週4で行って。大学のときはそこのプールでアルバイトして。

――では、泳ぎには自信あり?

石田:はい。スピードより遠泳の方が。大会出たかったんで競技人口が少ないのを狙って、バタフライやってました。黙々と泳ぐのが楽しかったですね。

安田:友達いなかったんでしょ?

石田:サッカー部にも入ったんですけど。「ナイスパス」って言うのが恥ずかしくて(笑)。

――そんなに恥ずかしいものでもないと思いますが(笑)。

安田:僕は中高とサッカーやってました。でも、中学が厳しすぎて、イヤになっちゃいましたね~。

――高校では何をしてたんですか?

安田:1回テニス部入ったんですけど、当時は短パンが恥ずかしくてやめちゃいました。

――2人とも恥ずかしがり屋さん(笑)。

安田さんの特技

石田:安田さんって、すごく何でもできるんですけど、「何ができる」って発表しない人なんですよ。

――アピールしないタイプ。

石田:映画もすごく見てるらしいんですけど、聞かないと教えてくれないっていう……。

安田:上を見ちゃうんですよ。俺よりいっぱい見てる人いるし。

――そうかもしれないですけど(笑)。

石田:掘り起こさないと出してくれない。でも、掘るほどみんな付き合ってくれない(笑)。

――では、安田さんの特技を掘り下げます。公式プロフィールの『足ギター』というのは?

安田:あー。手で弾けるなら足でも弾けるんじゃないかなって思って。

――足でギターが弾けるんですか?

安田:はい。足で弦を押さえて、足で弾きます。

――弦を押さえる方も足ですか? まさか両方足?

安田:両方足です。

――それ、すごくないですか? 世界に出られる芸なのでは……。

石田:そうなんですよ!

安田:そうなんですけど……。ヘルニア持ちで、やったら腰に激痛が走って、今はちょっと……。

――残念(笑)!

ネタを成仏させない精神

石田:ふと「やらなくなったネタってどこに行くのかな?」って思ったんです。

――お坊さんらしい考え方ですね。

石田:そうです。まだあのネタたちを「成仏させたくない!」「極楽浄土に行かせないぞ!」って。10人くらいのお客さんの前でやったネタとか、せっかく作ったのにもったいないじゃないですか。

――確かにそうですね。

石田:それで、YouTubeの『ドドんチャンネル』でネタを全部上げてしまおうと思って。

安田:お坊さんらしいというか、金勘定です(笑)。

――昔のネタをアップしてるんですね。

石田:でも、当時のネタをそのまま上げるんじゃなくて、今のスキルで改めてやってみて。それをアップしてます。

――新しい試みですね。

安田:極楽から引きずり下ろして。

石田:地獄にいたやつかもしれませんが(笑)。

10年経って思うこと

石田:10年経って、最初に出てきたときの想いと環境が変わってきまして。最初は「お坊さんネタなんかやらない」って思ってたんですけど。

――仰ってましたね。

石田:最近は「お坊さんから逃げられない」って思うようになって……。

――ネガティブな感じですか(笑)?

石田:いえいえ(笑)。「背負っていかなきゃいけない」っていうか、責任感っていうか。

――なるほど。

石田:お坊さんたちから「笑って仏教学べるなんて、いいことやってるね」って言われることもあるんです。

――世の中の自分の役割、みたいな。

石田:そうですね。それで、ちゃんと向き合おうかなって。

――いい傾向なのかもしれませんね。

石田:去年、お寺で『法話漫才』ってことで、おじいちゃんおばあちゃんの前で、1時間漫才をやらせてもらって。すごく喜んでもらったんですよ。

――1時間!

石田:お寺の方から依頼があって。そこで、テーマの指定があったんです。

――どんなテーマですか?

石田:『命と供養について』

安田:大変でした(笑)。

――大変そうですね(笑)。

石田:断ることもできたんですけど、これはちょっと「やりたい」ってなって。「ここは逃げちゃいけないな」と。

安田:僕の葬儀屋の経験も生かせました。

――いいですね。

石田:テレビに出たいって想いは変わらないですけど、今後はそっちの方にも目を向けていきたいなって思っています。

――なるほど。

石田:ただ、実家を継ぐのかどうかの問題もやってきます。

――そのときになったらどうするんですか?

石田:その瞬間になってみないとわからないですね。

――安田さんは?

安田:僕はバンドやって芸人やって漫才やって歌ネタやってまたバンドやって……。ここ最近はわけわかんないです!

――(笑)

安田:目の前のことをひとつひとつですね。

石田:いろんなことやってますけど、とにかく笑いは『絶対!』ですね。


自分のやりたいこと、やれること、やるべきこと。さまざまな葛藤のなかで、進化し続けているドドん。諸行無常。形あるものはなくなる。つまりそれは、『進化』という意味なのかもしれない。なるほどこれが仏教か。と、勝手に勉強になった気がしたところで、ドドんのコーヒーブレイク・インタビュー、以上!